平成18年5月1日に施行された会社法によって新たに設けられた会社形態である合同会社はアメリカ合衆国のLLCをモデルとして導入された物で、平成26年度の日本においては約39,400社が存在している事が判明しています。

そこで今回はこの合同会社を設立するメリットとデメリットが一体何なのかという事を説明していきましょう。

合同会社のメリットやデメリット

合同会社のメリットですがこれには4つの事柄が存在する物となっており、その1つ目となるのが株式会社と比べると会社設立費用が安いという事になります。

これは株式会社設立の際に必要になる定款認証手数料と定款謄本発行手数料を払う必要が無い上に登記時の収入印紙代が株式会社設立時よりも9万円も安くなっているからで、その総額は何と株式会社より

約14万円も安くなっているのです。

2つ目は株式をどれだけ保有しているかで配当金の分配比率が強制的に決まってしまう株式会社と違って配当金の分配比率を自由に設定出来るという事で、これによって不平等な配分を無くす事が出来る物となっています。

3つ目は役員の任期が定められていない為に役員変更手続を行う必要が無い事や決算公告が義務付けられていないといった様な余計な手間がいらないという事で、これによって上述の事を行う際に発生する費用を節約出来る物となっているのです。

そして4つ目のメリットは事業破綻してしまっても代表者の責任範囲が有限で済むという事なのですが、合同会社にはこれ等のメリットと同時に比較的新しい形態の会社故のイメージの悪さがあるという事と出資者1人につき1票の議決権がある為に会社の意思決定に収拾が付かなくなる可能性がある事というデメリットがある物となっています。

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合同会社設立の手続きの流れ

合同会社設立の前には事前に準備・考えなければならないことがあります。

会社名(商号)、事業目的、本店所在地、資本金、銀行口座、社員構成、会社方針、事業年度、印鑑、資金などがあげられます。

基本的な手続きの流れは株式会社も合同会社も変わりません。

ただ、合同会社の定款の作成は株式会社に比べて株式や株主総会がない分作成が簡単で、登記の手続きに関しても同じです。

このとき、他の役所での認可が必要なものはたとえば建設業であったり福祉関係の場合などですが、この場合は定款の作成に入る前にまずはそれら役所側の話しを聞いておくことが必要です。

いったん定款の作成をしてしまうと、変更しなければならなくなったときに時間も費用も無駄になってしまいます。

したがって、勇み足で話を前に進める前にいったん立ち止まって、実施したい事業が役所の規制になっていないかどうかは調べておくことが求められます。

最後に、税務署や都道府県に対し、開業の届出をして完了となります。

法人開業と同時に事業開始を行う場合には、法務局での登記の段階である程度は準備を進めておかなければ、登記完了後に改めて準備をするとなると時間のロスが発生してしまいます。段取りよく進めることが大事です。

合同会社設立の必要書類

合同会社の設立で法務局に提出する必要書類は、

合同会社設立登記申請書、登記用紙と同一の用紙、保管用と提出用の定款2部、代表社員の印鑑証明書、振込証明書、印鑑届出書、その他場合によって代表社員就任承諾書や本店所在地及び資本金決定書が必要になります。

特に重要なのは定款と呼ばれる書類です。
この定款には会社の情報を細かく明記する必要があるため非常に重要な書類となります。

これは合同会社設立の場合だけではなく、株式会社の設立の場合も同様の手順を踏むことになります。

しかしながら合同会社設立の場合には、株式会社に比較して手順が少なくなっているのが特徴です。そのため自力で対応することも不可能ではありません。

合同会社設立の費用

合同会社の設立にかかる費用は株式会社と比べ安くなっています。

株式会社の場合25万円ほどかかりますが、合同会社の場合10万円ほどとなります。

ただ、紙の定款ではなく電子定款にした場合4万円安くなった6万円となります。

行政書士などの専門家に代行してもらう場合は基本的に電子定款です。

合同会社設立を行政書士に代行してもらうメリット

定款の作成やその認証を行う際には、行政書士に依頼をする場合が多いです。

すべてを開業者がする必要は無く、むしろ記載内容や記載の仕方は独特のものがあるため、代行を依頼したほうが確実です。

特に役所での定款の作成などに慣れている行政書士であれば、手続きの流れを把握していますので任せるとスムーズに前に進んでいきやすくなります。

 

また、行政書士に電子定款で依頼すれば4万円の費用が浮きます。行政書士の費用が掛かりますが、事務所やプランによって料金が異なるので、行政書士に代行をしてもらっても10万円より安く済むケースもあります。

いずれにせよ、会社設立時は多忙になりますし、設立の手続きは不備のないよう行わなければなりません。

行政書士のような専門家に代行してもらうことをおすすめします。